アンジオモジュリン(angiomodulin)/TAFの機能


 アンジオモジュリン/TAF(以下AGM)は私たちがヒト膀胱癌細胞が分泌する細胞接着分子として明らかにした分子量約3万の蛋白質で、その遺伝子はmac25としてクローニングされ、またIGF結合蛋白質関連分子1(IGFBP-rP1)という名称が提唱されている。私たちはAGMが腫瘍組織やその近傍の血管基底膜に多量に蓄積すること(図9)(PNAS, 1996)、AGMは細胞表面のヘパラン硫酸プロテオグリカンに結合すること、などを明らかにした。最近、AGMはin vitroでIGF/insulin依存性の増殖を促進するが、in vivoでは強い腫瘍増殖抑制作用を示すことが明らかになった。また、AGMはプロテアーゼによる限定切断を受け、細胞接着活性や細胞増殖活性が変化することが明らかになった(BBRC, 2003)。現在、AGMの腫瘍増殖抑制機構とプロテアーゼによる限定分解の意義をさらに検討している。            

    

 図9.ヒト脳腫瘍の血管におけるAGM/TAFの局在(文献g)。
   グリオブラストーマ内の新しく形成された血管にAGM/TAFが蓄積している
   (褐色に染色された部分)。しかし正常脳組織の血管には全く検出されない。